2010-01-13 中国の物語が日本へ翻案されるときには、何か目的があったのでしょうか。例えば『日本書紀』には、小中華としての立場を示そうという意図があったと思うのですが。 全学共通日本史(09秋) 『日本書紀』ほどあからさまではなかったでしょうが、漢学者・儒学者のなかには中国正統王朝を神聖視する方向性は強く、そうした意識から翻案が行われたこともあったと思われます。しかし多くは、漢籍に書かれた思想や教訓を日本へも流布しようと、舞台や登場人物を日本的に変え、物語はそのままにして本などを出版することが行われたようです。悠久の文字の歴史を持つ中国は、やはり物語の宝庫であったのでしょう。