信仰の対象にならなかった動物はいるのでしょうか。 / 小鳥に対する信仰はなかったのでしょうか。

歴史学や考古学など過去を扱う学問では、「なかった」ことを立証するのは困難です。アニミズムという森羅万象に精霊を認めた原始信仰が基盤にある以上、あらゆる動植物に対する信仰は「あった」可能性があります。しかし、人間生活と関わりの深い動物、人間に何らかの利・害をもたらす動物は、信仰の念を強くもたれていたようですね。小鳥については、東南アジアで、セキレイを穂落し神と認識している地があるようです。日本でも、ホオジロが鵐鳥(志止々鳥)と呼ばれ、稲の豊作を占う力を持った鳥であったようで、これを用いる片巫というシャーマンの存在が『古語拾遺』にみえます。