蛇は水神であるとのことですが、近所の神社では白蛇を金の神として祀っています。白蛇は普通の蛇と違うのですか。

講義でも述べましたが、蛇には生命の秘密を知っているという信仰がありました(これも起源は水なのでしょう。水は生命の源で、世界の始発には水だけがあったという神話も各地にみえます)。そこから派生して、秘密を守る者、宝を守る者という発想から、蛇が秘宝や財宝の守護神になっているという伝説も生まれました。ヨーロッパではドラゴンがそうした役割を担っていることは珍しくありませんし、中国の龍も玉を持っています。『古事記』の八岐大蛇の尾から剣が出てくることは、出雲の製鉄産業と関わりがあるようですが、もともとは上記のような蛇の属性に関わりがあるのでしょう。金の神としての蛇も、そのあたりの言説から派生したものと考えられます。白蛇が神聖なものである、神の使いであるという信仰もアジア中にみえますね。