日本の古代には何人もの女帝が生まれていますが、飛鳥・奈良時代は男女平等といえるでしょうか。

現代的な意味では男女平等といいがたいですが、女性の力が認められていたことは確かです。女帝は中継ぎなどとよくいわれますが、仁藤敦史氏などは、母系継承には法的根拠あると指摘しています。『養老令』 継嗣令/皇兄弟条に「凡そ皇の兄弟、皇子をば、皆親王と為よ。女帝の子も亦同じ」(大宝令もほぼ同文)とあり、女帝の子供も皇位継承者になりうることが保証されていたのです。奈良時代の持統、元明、元正、孝謙・称徳も、積極的に政治に関与していったのでしょう。しかし、中国の家父長制が次第に支配者層より浸透し、仏教を通じ「女性を罪深いもの」とする認識が広まるにつれて、その地位は低落してゆきます。