平城京の住民が詳しく判明しているのはなぜでしょう。また、下級官人であっても京内に邸宅を得るのは難しくなかったのですか。

京内の土地は位階に応じ、面積・場所などが区別されて支給されます。下級官人であっても、京官であれば京内への宅地班給が保証されます。しかし、狭苦しい京の宅地は仮の宿で、郊外に本拠を置く人々も少なくなかったようです。また、講義でもお話ししましたが、平城京内の住所・住人が詳しく判明しているのは、正倉院文書に戸籍や計帳が残っているためです。ちなみに、私の師匠の平田耿二先生は戸籍の専門家でした。