五節舞が礼楽思想に基づくとすれば、民はその舞をみることができたのでしょうか。 / 現代の私たちが、このような宮中の儀礼をみることはできるのでしょうか。

阿倍の五節舞は、あくまで支配層の皇位継承に関する合意を得るためのものですので、内裏で公卿を招いて行われた宴において演じられ、一般民衆はみることができませんでした。現在の宮廷行事では、大嘗祭において5人で舞う形が伝えられていますが、やはりほとんど一般の目に触れる機会はないようです。ただし、2007年には京都御所の秋の一般公開を記念して舞われたようですので、今後、特別行事として私たちがみられることもないとはいえません。宮内庁楽部の講演なども狙い目でしょう。