『遠野物語』で、行方不明となった女性の葬式をするとき、なぜ枕が形代とされたのでしょうか。

人間は睡眠中に夢をみますが、古代中国などでは、枕のなかに異界が開けている、枕が異界への入り口であるとの認識もあったようです。とりあえず、近現代的な認識を超えた「境界的存在」ではあったようですね。また、人間の霊魂は頭に宿ると考えられていましたので、それを支える枕は重要な意味づけをされていたのでしょう。生命の象徴である髪が付着している、という点でも重視されたのかも知れません。