映画化された小説『陰陽師』は、どの程度史実に沿っているのでしょう。また、参考文献の『陰陽道の発見』の表紙を描いていたひとの漫画を教えてください。

夢枕獏の小説は、史実や説話を題材にしていますが、それ自体は徹頭徹尾フィクションであると考えていいでしょう。岡野玲子の漫画も上記小説を原作としていますので同じですが、後半から段々と原作を離れ、スピリチュアルな方向へ向かってゆきます。一般の読者には「分かりにくい」展開になってしまいましたが、コアな読者や研究者(とくに宗教学的傾向の強い人々)からは、陰陽道という学問的宇宙の捉え方、実践の意味の認識の仕方などが、圧倒的な支持を受けています。