土塔はどのような経緯で日本に伝来したのでしょう。エジプトは関係あったのですか。

エジプトは関係ありません。インドや東南アジアのストゥーパは土まんじゅう型ですので、それがモデルになったのではないかと考えられています。ただし、そこに瓦を葺くというのは斬新な発想です。ちなみに土塔の建った大野寺は土師氏の氏寺として建てられたもので、土師氏は古墳の造営や葬礼の実践を受け持ってきた氏族でした。ゆえに土塔造営の基礎には、古墳の築造に関する知識や技術が役立てられていることは確かです。なお、瓦関係でいいますと、大修恵院の立てられた陶邑は須恵器の一大生産地で、須恵器や瓦を造っていた工人たちが行基に協力していたのは明らかです。大野寺では、土師・須恵の共演がみられるわけです。