行基集団のような活動を行っていた民間レベルの仏教者は、渡来系氏族が多かったと聞いています。これは外国から移住してきた人たちですか。

百済系、新羅系の渡来人たちが多く関わっていました。ただし、彼らが日本へ渡来してきたのは5世紀後半〜6世紀初にかけてで、8世紀の行基の頃には列島へ土着して数世代を経た人々だったことになります。彼らの知識や技術は、飛鳥時代以前には大変もてはやされましたが、次第に旧式化してゆき、中国から直接導入されるようになった文化に圧倒されてゆきました。行基の活動は、そのようにして衰退しつつあった彼らの技術を活性化する一方、農業経営への転換も勧めていったと推測されています。