狐との婚姻譚に関して、後の時代には人に化けられるのが狸、狐、猫に限られてくるのはなぜでしょうか。これらの動物が特別視されるファクターとしては何があるでしょうか。

いわゆる魔物と位置づけられる動物ですね。その背景には、彼らが里と山とを行き来する(猫の場合は、里にいながら突然姿を消す)境界的存在であるとの認識が隠れています。人間生活において身近な存在でありながら、一方で理解しがたい未知の面も持っている。そうしたところが人間の想像力をかき立てるのでしょう。