『信貴山縁起絵巻』に比べると、デッサンや動きは細かいですが、すやり霞や逆勝手のような場面転換に乏しいと思います。今回観たところだけなのでしょうか? あるいは、画力の問題なのでしょうか?

これからみてゆくなかには、異時同図法や逆勝手、すやり霞も使われていますが、確かに『信貴山』ほど劇的・効果的な使われ方ではないかも知れません。題材にもよるのでしょうが、『伴大納言』は絵でみせる絵巻、『信貴山』は構成でみせる絵巻といっても過言ではないかも知れません。