後白河のサロンの人々は、『伴大納言絵巻』をみて、描かれたこの人物は誰だとか、これは異時同図だとか、現在と同じような解釈はできていたのでしょうか。絵巻が完成したとき、執筆者によるお披露目などは行われたのでしょうか。

勅撰の書物等は多く献上の儀の類が行われていますので、絵巻の場合も、画師による説明を冠したお披露目の儀式は開かれたと想像されます。とくに、後白河が注文を付けたものであれば、それがきちんと果たされているか、どういう形で実現されているかなどの確認も行われたはずです。