遺棄葬は、仏教の理念において許される行為なのですか?

仏教は現世への執着を解消しようとしますので、死体に執着し、可哀想だとか、あるいは祟られるからといった理由で埋葬を勧めることはありません。むしろそれは煩悩の発露、迷いの結果であると考えるのが、本来の仏教のあり方でしょう。近世の檀家制度によって死者供養と仏教とが密接に結びついたため、今日では死者に関わることはすべて仏教文化のようにみられていますが、例えば日本の各家庭にある仏壇などは、仏教と儒教とが習合したものです。位牌は儒教の祖先祭祀に由来するもので、仏教のものではありません。