シンデレラ譚の源泉となったという精霊たちの夜の会合ですが、やはり帰らねばならない時間なども設定されているのでしょうか。

たいていは夜明けまで(日の出、もしくは一番鶏の鳴く頃など)、ということでしょう。しかし、不思議な出来事が起きる時間帯の設定というのは、文化によって様々に差異があり面白いものです。例えば日本では、黄昏時のことをオオマガトキ(大禍時・大凶時・逢魔時などと表記)といって怖れます。丑三時の幽霊も有名ですが、『日本霊異記』では、1日を6つに分けた夜半〜夜明けに当たる「後夜」の時間帯に、最も怪異な事件が起きています。恐らく、精霊が活動する時間は文化によってある程度決まっていて、後に重層してゆく諸宗教にもそれを踏襲する部分があるのでしょう。