西方や北方を死と関連付けて理解していたとのことですが、大陸でもそうした事例はあるのでしょうか。

最も典型的な事例として知られるのは仏教です。釈迦が涅槃の際、頭を北に顔を西に向け、右脇を下に向けた姿勢であったことは、初期経典の『阿含経』などにすでに見受けられます。これはやはり、生命象徴としての太陽信仰の裏返しで、太陽の通らない北、太陽の沈む西を、生命の最も衰える方位と認識したものでしょう。