カメの土偶にはどんな意味があるのでしょう。

どうなんでしょうね。甲羅を持つという亀の形態的特徴は、アジアでは古くから何らかの信仰を集めていたようです。中国では紀元前7000年頃から、亀甲をつづり合わせたポシェットのような道具が墳墓などからみつかり、前4500年頃には、玉で作られた卜占の道具と思われる亀甲が発掘されています。中国神話には、最初の王朝夏を開いた禹王の治水事業において、世界の気の作用のあり方を図示した「洛書」を持つ亀が、洛水より出土したとのエピソードがあります。その亀甲が、殷王朝において卜占の主要素材となることからしても、甲羅には神霊の意志、宇宙の意志が示されるとの認識があったのでしょう。カメ土偶の持つ具体的な意味については不明ですが、アジアにおけるカメの神聖視が根底にあることは間違いないでしょう。中空のものが多いので、やはり何かを入れておく容器だったのかも分かりません。