古代中国では、青銅器は王や貴族しか使えないものでした。日本も同じなら、すでに弥生前期は階級が分化していたということでしょうか。

講義でもお話ししましたが、弥生時代の青銅器は共同体の所有で、恐らくは稲作に関連して行われたその祭祀は、共同体の祭祀です。弥生の集落には首長の存在が認められ、次第に階級分化が生じていったものと思われますが、あらゆる青銅器を威信財として私有するまでには至っていません。銅矛や銅鐸が副葬品として一般化するより、共同体の聖地へ埋納されていったのもそのためでしょう。