どうなのでしょう。例えばアイヌのイオマンテは、春の狩猟に際して捕獲した子グマを大事に育て、秋の祭礼のときに殺害するという儀礼です。春から秋までの期間は、神霊としてのクマを接待する重要な期間で、この間に人間と子グマの間には擬制的な親子関係が結ばれたりします。亀の場合はそのようなことはないでしょうし、冬期においては亀も冬眠をするので、飼育に大した手間はかからなかったはずです。生け簀のような場所にまとめて保管されていたのかも分かりません。秋→春の五行的意味付けは後の付託でしょうから、本来は「飼育に手間がかからない」という単純な理由であった可能性はあります。