古墳の築造は数学などの知識・技術を活かして造られたのですか。それとも、何となくの感覚だけでしょうか。
すでに大陸や半島では、数学的知識を活かして精緻な建築物が築造されていました。古墳についても、見た目の感覚だけでは、ほぼ統一された規格を各地へ頒下してゆくことはできません。渡来系の人々の知識・技術を活用して、これまで列島の人々がみることもできなかったような景観が造られたものと思います。ちなみに、土を盛って墳丘を造ったり、地を穿って濠を造るといった古墳の基礎的な工法は、多く堰や堤、溜め池を造る治水・灌漑の工法と共通していました。寒冷多雨の気候を克服したその象徴が古墳であった、と考えることもできるでしょう。