古墳時代が寒冷多雨な気候だったとすると、疫病などは流行らなかったのでしょうか。

流行したと思います。私は、古代の文献に記載される「祟り神」は、古墳寒冷期のなかで形成された宗教思想だと考えていますが(『日本災害史』参照)、それらの記事には、天候不順や飢饉などのほかにやはり疫病の流行が語られています。祟り神の発想のもとにあった中国の「祟」が、多く病に関わるものであったという理由もあるでしょうが、古墳時代の実態も反映していると思われます。