人物埴輪は、すべて同じような無表情なのでしょうか。笑ったり泣いたりしているものはないのですか?

埼玉県には、本庄や長瀞で笑う埴輪が出土しています。現代では自然な感情の表出も、古代には呪術的な力があると信じられていたようで、例えば授業でお話しした哭泣も死者の魂を呼び寄せる効果などを期待されたわけです。その観点から笑う埴輪をみると、これは祝福の意であり、やはり辟邪の機能を持つものと考えられます。現在でも、祝い事の芸能において用いられる翁の面は笑っていますし、七福神の図像もみな笑っています。まさに、「笑う門には福来たる」なんでしょうね。