玄室の天井に描かれている星辰図については、死者が天国にゆくといった意味はなかったのでしょうか。

「天国にゆく」というのとはちょっと違うかも知れませんが、昇仙と関わる可能性はなきにしもあらずです。中国の貴族層の墓からは「昇仙図」なる帛書が出ていて、被葬者が仙界の西王母のもとへ上って仙人になる過程を描いています。星辰図は元来、墓室内に別の宇宙が存在することを示すために用いられたのでしょう。「昇仙図」のように天上への各段階が示されているわけではないので、可能性としては高くありませんが、検討材料にはしておきたいところです。