中国と日本でそれぞれ信仰されていた亀は、同じ種類のものなのでしょうか。 / 亀は海で捕まえてくるのですか?

中国殷代に亀卜に供された亀は、クサガメやハナガメといった、それほど大きくもないリクガメでした。日本では鹿卜を経て古墳時代に亀卜を開始しますが、以降近代に至るまで、亀甲にはウミガメのそれを利用しています。それゆえ、ウミガメの産卵地である紀伊や土佐からは、亀甲の中央への貢上が義務づけられていたようです。もともと亀卜が盛んであった玄界灘や東海東部などでは、産卵にやってきた亀を捕獲する以外に、海上で狩猟することもあったと思われます。この種類の相違は、王朝が誕生した地域の環境に基づくところが大きいのでしょうね。