今までみてきた史料には卜官=史官の正しさが示されるものばかりでしたが、意図的にそうしたもののみが残されているのでしょうか。 / 卜官のような人々の助言で戦に勝った話があるのは分かりましたが、逆に失敗した例なども残っているのでしょうか?

基本的に、『左氏伝』や『国語』は史官の倫理=天の秩序と考えているので、君主/史官=卜官の対立が生じた際に、君主側が正当であると叙述する場合は少ないだろうと思います。史官=卜官は天の声を代弁しているのであり、それに逆らうのは天に弓引くことと同様の意味を持ちます。よって、卜官=史官がアドバイスに失敗する事例には、あまり出会ったことがありません。