敦煌文書の解夢書について幾つか事例をみましたが、夢は幽体離脱の結果と信じられていたわけでしょうか?

中国においても、夢に対する考え方には変遷があり、また階層によっても認識のありようが異なっていたようです。敦煌文書の解夢書は、寝ている間に魂がみた現実との思想が根底にありますが、しかし書物のなかには未来のことも書かれていますので、やはり夢が時空を超越するメディアと位置づけられていたことは確かでしょう。夢で何らかの「現実」をみたなら、それはやはり「他界における現実」なのでしょう。