史料15の「天皇記」「国記」ですが、実体としてどこにあったかというよりも、なぜ『書紀』にそのように書かれているかが問題と思いました。

そのとおりですね。「天皇記」「国記」自体がまったくの虚構という可能性もあります。ただし、『書紀』の文脈では太子主導で作られた書物を蘇我本宗家が所有しているというのは、太子礼賛・蘇我批判の『書紀』史観からすると明らかに矛盾です。恐らく、何らかの実体はあったのでしょうね。