寇謙之については高校の世界史で勉強しましたが、最後は市民のトイレ代わりになって殺されたとは知りませんでした。

実はあの記述は、『法苑珠林』の撰者である道世か、彼に決定的な影響を及ぼした道宣という僧侶が、現実の歴史を仏教に都合の良いようにねじ曲げた記述なのです。史実の寇謙之は老衰によって死亡しており、死刑になどなっていません。あの書かれ方には、大規模な廃仏をもたらした寇謙之への、中国仏教界の怨念が込められていると思われます。