私は世界史選択でしたので、崇仏論争の時代や対外関係について体系的に学んだことがありません。何か、入門書でよいものはありますか? / 現在、最も分かりやすい『日本書紀』の解説書とは何でしょうか?

残念ながら、研究が日進月歩の状態である『日本書紀』は、あまりよい概説書がない状態です。内容的なことでなく、いかに叙述されているかを知りたいなら、必読書はやはり森博達『日本書紀の謎を解く』(中公新書、1999年)ですね。最近その補足版、『日本書紀成立の真実』(中央公論新社)も出版されました。以前に紹介した、大山誠一編『日本書紀の謎と聖徳太子』(平凡社)と比較しながら読むと、現在の研究情況がみえてくると思います。ちょっと、難しいですが。
崇仏論争等々の概説というと、吉田一彦『古代仏教をよみなおす』(吉川弘文館、2006年)がいいかも知れません。これまで抱いてきた仏教のイメージが覆されると思います。