宇多天皇の猫を大切にする行為や、道長の猫の産養などは、猫に対する畏れのようなものも関係していたのでしょうか。

史料から充分にうかがうことはできませんが、宇多天皇一条天皇が、猫の不思議な魅力にとりつかれていたことは確かでしょう。とくに、一条天皇命婦おとどに位階を授与したり、道長が人間の通過儀礼である産養を行ったりしたのは、猫が人間の生まれ変わりであるとの認識を前提にしていたのかも分かりません。