一般的な庶民の家が、猫を飼えるようになったのはいつからでしょうか。

院政末期に成立した『信貴山縁起絵巻』には、奈良の都の庶民の家に、紐でつながれた猫の姿が描かれています。平安中期までには宮廷で愛玩されていた猫も、中世が始まる頃には庶民のもとで飼われていたと考えられます。紐飼いという飼い方も宮廷とほぼ同じですが、これが唐猫の子孫であったのか、それとももっと以前から列島で繁殖していたものなのかは定かではありません。