女神の話が出て来て思ったのですが、日本は何がきっかけで男尊女卑になってしまったのでしょうか。

列島の家族文化は、本来は、母系・父系の両方がありうる双系制でした。しかし、古墳時代の中期頃から、中国文化の導入によって父系制が強くなり、家長職も男子相続が一般化してゆきます。家父長制の確立は、平安期に天皇家摂関家から始まってゆきますが、中世までは、一般社会に女性家長・女性有力者が多く存在していました。現在に繋がる男尊女卑のイデオロギーが構築されるのは、儒教が支配原理として導入された江戸期以降で、それが一般庶民にまで浸透してゆくのは、近代になってからと考えてよいでしょう。意外に新しい価値観なのです。