沖ノ島は現在女人禁制になっていると思うのですが、女神を祭祀しているのになぜ女人禁制なのでしょうか。また、神の性別というのはいつ頃から意識されていたのでしょうか。

女神を奉祀していながら女人禁制である、という事例は、実は日本列島に多く見出すことができます。例えば、日本ではかつて、常時女人禁制になっている山、決められた時期のみ女性の入れない山が多くありましたが、民俗的な山の神は女性であることが非常に多いのです。「山の神は非常に醜いため、女性がやって来ると嫉妬して祟りをなすから」という理由付けが、一般的でしょうか。ただし、神霊は人間の罪穢を超越した存在として構築されてゆきますので、女神でありながら「女性の穢れ」を嫌うという説明も成立しうるものと思います。