鉄剣などの金石文は、どのように書かれるのですか。この技術も、渡来人によってもたらされたものですか。

鉄剣などに記す金石文のありかたは、陰刻・陽刻の2つがあります。前者は金属器自体の完成したあとに文章を刻むもの、後者は金属器の型に文章を彫って鋳造を行うものです。刀剣の場合は鋼を打ち鍛えて製造しますので、多く陰刻によって銘文を作成します。弥生時代の際にお話ししたように、金属器自体が半島・大陸から将来されたものですので、もともとは渡来系の技術により作成されていたと考えられます。しかし、レジュメにも載せた江田船山の大刀銘には、精錬者の名前が倭人名で刻まれていますので、このときには倭人の技術者も多くいたものと想定されます。