仏教が公伝以前に伝わっていたとすれば、その痕跡はどこにみられるのでしょうか。

例えば、画文帯四仏四獣鏡、三角縁仏獣鏡などが出土しています。ともに古墳時代、4世紀後半頃のものです。神仙と神獣を配したのが神獣鏡ですが、こちらは神仙を仏の姿に置き換えたものです。中国の六朝後半には、仏教と道教との交渉が進み、お互いがお互いの宗教形式を更新してゆくことになります。こういった遺物に付随してどのような思想が説かれたのかは定かではありませんが、古墳時代より、仏教文化が断片的に将来されてきていたことは間違いありません。