古代の贄が動物の肉であったのが、神憑り的な神道や仏教に後押しされて、人の肉を用いる生け贄の概念に発展したのですか?

供犠とは、理論的には、人間にとって最も大事なものを捧げる祭儀です。そうしなければ、神は応えてくれないと考えられていたのですね。よって、そもそもが人間を犠牲に捧げるものとして行われていた、とみられているのです。それがやがて、執行主体の共同体の外の人間(つまり外部の人間)、人間以外のもの(動物)、人間や動物の形をした模型、などで代用されるようになってゆくわけです。日本古代に供犠があったかどうかについては、近代から議論が続いています。昨今では、考古学的遺物をもとに肯定説が強く打ち出されていますが、供犠の存在した可能性は否定できないものの、未だ解釈論に過ぎない段階のようです。