崇峻殺害は、一種のクーデターのような感じがしますが、どうでしょうか。 / 崇峻暗殺について、『書紀』に蘇我氏の名前が記されているのは、編纂者による政治的述作なのではないでしょうか。

馬子の側からすれば、政治の実権は彼が掌握していたので、クーデターにはなりえません。基盤はしっかり据えたうえで、首をすげ替えたに過ぎません。しかし、支配者層に与えた衝撃は大きかったものと思われます。なお、『書紀』は皇極朝の蝦夷・入鹿については殊更「悪く」書いていますが、馬子については誹謗中傷していません。改新政府も、馬子については偉人として扱っています。崇峻殺害も、事実とみてよいでしょう。