日本へ仏教を伝えたのは百済とされますが、朝鮮三国は、それぞれに対立しながらも仏教を通じた交流などはあったのでしょうか。

朝鮮の仏教事情にはあまり詳しくないのですが、いずれも4世紀末までには仏教が伝来しており、新羅には高句麗から伝えられたとされています。ともに中国へも留学僧を輩出していますので、僧侶同士の学問的交流や、政治的関係を前提とした知識・技術供与なども行われていたのでしょう。ちなみに日本最初の伽藍寺院である飛鳥寺は、かつては高句麗式とみられていたものの、最近の発掘成果によって、百済の王興寺をモデルにしたことが判明しています。近年の韓国における考古学的発見にはめざましいものがあり、今後も大きく研究が進展する可能性があります。