死者の問題ですが、日本のメディアはそうしたものを規制しすぎると思います。日本人はどこかで死者を忌避しているのでしょう。古代でも忌避しているとのことですが、現代とはやや違うようです。

個人的な経験ですが、以前僧侶の仕事をしていたとき、ある母親が、祖母の葬儀に孫を出席させないという事例に遭遇しました。母親としては、「悲惨な現実をみせたくない」との配慮かもしれませんし、必ずしも死を忌避した振る舞いではなかったのだと思います。しかし、幼いときに生命の終わりをみることは、最も大切な経験のひとつとなると思います。しかし日本では、残念ながら、ケガレや友引の風習等々、死者に対する忌避感が極めて強い。路上に遺体の放棄されていた中世以前より、庶民に至るまで埋葬習俗の浸透した近世以降の方が、忌避感は強くなっているものと考えられます。