「漏刻」とは、実際にどのような役割を果たしたのですか。

時間を決定する装置ですので、時を測り、決められた時間に鐘や鼓で時報を鳴らす役割を担いました。講義で扱ったように、飛鳥には世界の中心を標榜する須弥山が置かれましたが、これが王権による空間の支配だとすれば、漏刻を設置し時刻を設定したことは、時間の支配をも実現したのだといえるでしょう。それまで、天体の運行をもとに経験的に認識され、極めて曖昧なものであった時間を、王権が初めて分割・数値化したわけで、飛鳥の人々の生活には画期的な意味を持ったと考えられます。これを端緒に、日本列島でも、「時間に縛られる生活」が出現してゆくわけです。