樹木信仰は世界各地でみられますが、中国や朝鮮の信仰では、「小さいもの」「子供」のイメージが強いように思います。おん祭りでは、東国の舞を子供が舞っていましたが、何か関係があるのでしょうか。

確かに子供の姿をした木霊が登場する神話、伝説は存在しますが、必ずしもそれが一般的というわけではありません。樹木の神の姿としては、古くは牛、蛇、白頭の老人など、極めて多様な存在形態を示します。日本では、木霊が人間の男性と結婚するという「三十三間堂棟木の由来」という物語りが普及したせいか、木霊を女性と考える地域が最も多いようです。樹木自体が人間より歳をとっている場合が多いので、子供の姿で表象される事例はあまりありませんね。