古墳や大仏を造るには、相当な量の時間と人力を費やしたと思いますが、それにもかかわらず、あれほどたくさん造ってきた背景は何だったのでしょう。宗教以外の理由はあるのでしょうか。

やはり、権力の象徴であったからでしょうね。古墳に関していえば、一定の環境開発を前提に築造されるわけですから、自然を制圧したモニュメントともいえるわけです。また各古墳では、カミとなった被葬者を祀りつつ、現首長が神的な力を手にするための諸儀礼も斎行されたようです。政治を行い庶民を支配下に置くうえで、古墳は自らの力の規模、ありようを示す格好の舞台であったといえるでしょう。