世界遺産の白神山地も伐採されていたそうですが、その植生や景観はかなり変化してしまっているのですか?

白神山地については、弘前大学の長谷川成一氏の研究によって、近代以前の植生が詳細に明らかにされています。それによると、17世紀前半の白神山地は針葉樹の群生が中核をなしていたものの、授業でもお話しした近世初期の大開発によってヒバやスギなどが盛んに伐採されたため、18世紀後半には山林資源が枯渇するまでの情況となってしまった。現在のブナを主とする落葉広葉樹林は、そのあとに回復した二次的、三次的な植生であるといえるようです。