アニミズムを信仰しているのに、動物を食用のために殺すということに違和感を覚えます。アニミズムを信仰する人々は、本当に動物を食べていたのですか?

それでは逆に、アニミズムを信仰した人々は何を食べていたのでしょうか。宗教の歴史のうち、もっともプリミティヴな形態がアニミズムとすれば、その信仰が支える生命活動のあり方は、人間の自然状態に最も近いはずです。それは、あらゆるものを食物にし、しかし逆に、自分たちも何者かの食物になりうる世界です。アニミズムがあらゆる生命の殺害を拒むという考え方は、現代のエコロジー思想によってねじ曲げられたものの見方であり、近代社会に対するアンチテーゼとして作り上げられた幻想に過ぎないのです。