異類婚姻譚の熊の話について、当初は人間であった姉が、いつの間にか熊になってしまっていました。いつ変身したのでしょうか。

授業でも少しお話しし、また上でもアニミズムの解説で述べましたが、狩猟採集民のアニミズム的世界観では、毛皮の着脱によって、人間が動物になり、動物が人間になることができるのです。両者は截然とは区別されておらず、本体としての精霊を共有する同一の存在としているからこそ、胚胎する思想です。それゆえに、森を歩く現実の熊さえも、自分たちと血を分けた同族であると想像できるのです。