クマの語義として、「隅」に等しいとする説について、「人間が住む世界と動物や神々の住む世界との境界」との説明をいただきましたが、これでは以前から人間と動物を分けて考えていたことになりませんか?

もちろん、個体や生物種が異なりますので、一定の区別はされています。それは人間でも同じことで、ヤマト王権の段階では、地域的・文化的差別が行われました。九州南部の人々は「熊襲(クマソ)」と総称されましたが、中央の人々による文化的差別でありながら、人がクマと呼ばれている点では動物/人間の区別が曖昧である一例ともされるのです。