『もののけ姫』では、オオカミの姿の山の神も存在しますが、シシ神のようなシカ?の姿の神も登場します。シカを神のように考える文化も存在するのでしょうか。

日本では、恐らくは稲作の本格化する弥生時代から、鹿を神聖視することが始まります。祭祀の道具である銅鐸などに鹿の姿が描かれ、最終的には春日大社鹿島神宮厳島神社諏訪大社などで、鹿を神の使いとする考え方が定着してゆきます。鹿の角の生え替わりが稲作のサイクルと同期していること、角が樹木のようであり、獣でありながら植物的要素も併せ持っていることなどが要因のようです。シシ神のシシは鹿の古称でもあり、鹿をさらに神聖に誇張して造型したものと考えられます。
なお、『もののけ姫』などジブリ作品の人気が高いようですが、以前立教大学で行われた『もののけ姫』に関するシンポジウムで、私が報告したものの資料をこちらにアップしておきました。1週間程度はダウンロードできますので、必要な人は参照してください。