動物を信仰の対象とすることについて、ネズミも繁殖能力が高いので十二支で1番になっているのかな、と思いました。しかし、そうするとイノシシは最後になり矛盾が生じます。十二支は動物の信仰とは関係ないのですか?

十二支という概念自体は殷帝国より確認できますが、これに動物を当てはめたのは、後漢の王充撰『論衡』物勢篇が初見のようです。すでに王充はその矛盾を批判していますので、周王朝の時代から存在した慣行といえるでしょうが、個々の動物の配置は再生能力云々との位置づけではなく、あくまで陰陽五行説に基づき、木性・火性・土性・金性・水性のそれぞれに属するものを当てはめているようです。釈迦や天帝の命令を受けて順番を決めるといった由来話は、後々仮託されてゆくもので、そこでは鼠の狡猾さが強調されていますね。