中国では石器時代から卜占があったようですが、日本ではいつ頃から開始されるのでしょうか。
占いとはっきり分かるのは、やはり、主に鹿の肩胛骨を用いた骨卜でしょう。開始されるのは、弥生時代の前期中葉です。東アジアにおいては、中国の中原地域が亀甲を主流に用いるようになっても、山東半島では鹿骨を使用していたようで、朝鮮半島や日本列島はその文化圏に属するものと考えられます。直接的には朝鮮半島からの伝来とみられますが、例えば、弥生中期後葉〜古墳前期初頭の200を超える卜骨を出土している鳥取県青谷神寺地遺跡では、猪と鹿の肩胛骨が左右1セットで3組配列された形式で発見されており、同じ方式が韓国泗川市の勒島遺跡でも検出されています。両遺跡の間には、他にも交流を立証する遺物が多くみつかっており、日本海を挟んで盛んな交流の展開していたことが分かっています。