いろいろなものが発掘されるなかで、これは何を意味するのだろうというものがたくさん出てくると思いますが、それらすべてに意味があるとは限らない気がします(屈葬など、個人的には体を折りたたんでスペース削減したというあたりがいちばんしっくりきます)。

確かに、あまり深い意味を求めるのも穿ちすぎというところはありますね。しかし、屈葬のように出土例が多く、地域的・時間的限定されているとしても一定の習俗として認められるものには、必ず何らかの意味があります。しかし、当時の人々にも無自覚、無意識の領域である場合もあるので、とにかく論理的に蓋然性の高い仮説を立て、研究者間における議論を繰り返してゆかねばなりません。ちなみに屈葬については、かつて「省スペース」との推測も存在したのですが、授業でお話ししたとおり、屈葬よりもスペースを必要とする伸展葬に変化してゆくため、現在では用いられていません。また、死後硬直したものをあの形状へ変形させるのでそれなりの力が要り、「丸めることへの明確な意志」が感じられることも重要です。